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カキチラシ

「サカサマ」ブログサイト内、書き散らしたもの置き場。

01/15

Wed

2025

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01/27

Tue

2009

高潔なる精神よ、健全なる体に宿れ。



「健全なる体よ、心をもて!」



 
君が、
 
きみが。
 
キミが、肩をちぢこませている必要なんか、ないんだよ。
 
きゅ、と。
 
惨めにも、震えながら、怖がりながら、ちぢこませている毎日など、いらないんだよ。
 
でも、
 
でも、
 
でも、僕は。
 
君に、何もしてやれない。
 
から、
 
から、
 
から。
 
せめて、こう言うんだ。
 
君が、肩こりをしないように、せめて。
 
毎日、毎日、毎日!
 
君の震えすくみ上がる肩をたたき、君の強張った顔を見て、君のひねた唇と君の拗ねた眉と君の傷ついた瞳に向かい、笑って。馬鹿みたいに大笑いをして!
 
君の頼りない腕をひっぱり、言うんだ。
 
空を見ろ!
 
森を見ろ!
 
僕と遊ぼう!
 
僕はそれで、君が笑わなくたって、かまわない。
 
だって、僕は、君の。
 
哀れな体を、労わっているのだから。
 
君の、その健康な体を。
 
凝り固まってしまわないように。
 
毎日、
 
僕は君の体に呼びかける。
 
しいては、
 
君の、
 
その高潔なる臆病で弱虫な。
 
精神にさえも。
 
届けば、良い、と。
 
願わんのだ。



 
 
20090127
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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01/08

Thu

2009

捏造設定アジアンな話。もはや二次創作でなく創作(笑)



「我が愛し子よ、その色を我に示せ」
 
 

 
我は血、に負けたのだ。
 
そうだと確信した途端、四肢から力が抜け落ちた。へたりと膝が地につき、頭の中が真っ白になる。

目の前が一気に狭く、ぼんやりとした。だらしなく目と口が開き切り、それでもしがみつかんとばかりに

顎は仰け反り、天をつく。いや、天をつかれたのは紛れもないこの自分。大切にしてきた世界に、穴を

開けられたのはこの自分。知らず、笑い声が落ち葉を踏むように空間に散る。

 ああ、我は負けた。

 血に負けたのだ。

 たかが、この身に流れるだけの血に、何の力ももたぬ液体だと思っていた赤き鮮血に、大敗をきっした

のだ。

 なぜ。

 どうして。

 涙すら流れない。

 気色の悪い脂汗ばかりが額に吹き出る。

 手先は痺れはじめ、上向く首にも痛みが走る。痙攣している。そう、臓器をはじめ筋肉、体を構成する

すべてが痙攣している。

血、という悪夢に痙攣していた。

 たかが血の一滴。

「っ畜生、」

 言葉をかわきりに体を満たすあらゆる水分が、穴から流れ出る。吹き出す、溢れだす!

「・・・ちくしょう」

 負けたのだ。どうすれば勝てる。もはやなくしたものを取り返すには遅すぎる。ならばどうすれば勝てる。

どうすれば勝てる。どうすれば負けずにすむ!どうすればこの屈辱を、晴らす事が出来るのだ!

「ちくしょう!!」

 血が泣いていた。

 涙はすでに、枯れはてた。
 
それは錆の日。



 
 
2009年1月8日
 
 
 
 
 
 

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01/04

Sun

2009

詩。テーマは煙草でお願いします。


「寒空に咲く」
 

 
 冬空に映える、寒月。
 
 冷気に震える、月光。
 
 立ち上る紫煙、誘蛾灯。
 
 甘い匂い、
 
 苦い匂い、
 
 人の匂い、
 
 君の味。
 
 つまむ指先、荒れた肌。
 
 白い吐息と、汚れた肺。
 
 真っ赤な血潮、真っ黒な場所。
 
 空にぽっこり、落とし穴。
 
 震える存在、冬蛍。
 
 ふさわしくひらいた、夜の事。
 

 
20090101

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01/04

Sun

2009

 

 
「空の名前」
 

 
 俺はいつでも正常だ。
 
 僕には名前がある、空が見える、飯が食える、そして歩ける。
 
 そう、僕は今日も正常だ。


 
 
 火照る体を引き上げて、本を読んでいる。火照る体を横にして、目を瞑り、少し眠ろうと思った。

火照る体を揺り起こし、飯を食わねばと口を開く。
 
 噛み締めた飯の味は美味いとか美味くないとか、そんなものではなくて、味そのものがダイレクトに舌へ

の刺激となり、腹を埋め、食後はぽっこり飛び出た胃が重い。
 
 僕は大丈夫。問題ない。空から地面を眺める夢を見た。車に乗っていて、坂道を猛スピードで下り降りた

拍子に浮き上がったのだ。そうして、空から町を眺めた。かつて、住んでいたらしい町だ。僕には記憶が無い。

そうこうしているうちに、場面はかつて住んでいたという学生時代の寮のような場所へと切り替わる。

下宿先は記憶のものよりも古く、寂れて汚れていて、表参道を二本も三本も離れた辻の、一見しただけで

治安のよろしくない、風俗店が引き締める路地裏のようだった。コンクリートのような鉄板の無機質な黒い壁、

土汚れのついた倉庫のような黒い小さな扉。そこで僕は、なんて住みたくない場所なのだ、と少しでも綺麗な

部屋の様子は無いのかと外から中を伺う。その時、二階を見上げてふと思った。

「ああ、地下に住んでいたのか。」

僕は僕の住処を見つけた。

すると次々に住人がやってきて僕を囲み、おかえり、とかどうしたんだとか帰ってきやがったとか、歓迎なのか

陰口なのかよくわからない、とにかくたくさんの種類の言葉を僕は受け取った。
 
 僕は再びそこで暮らし始めたようだ。ようだ、というのは気がついたら僕はそこに馴染んでいたからであり、

僕の手には住人の誰かからもらったものなのだろうか、大きな柑橘の果実を手にしており、僕は口元も首元も

服も手もたっぷりの果汁でべたべたになっているのも気にせずに、その分厚い皮をむき、白い薄皮をむいて、

そのまま噛り付いていた。すると、僕を遠巻きしている大勢の人間に気づく。ひそりひそりと何かが聞こえる。

ああ、そうか。

「僕は異常者だったのか。」

僕はどうやらそこの連中の気に障る人間らしかった。僕は記憶の無いこととそんな状態の毎日に身を置かれる

ことで不安にいっぱいだったのだが、どうしてかロドリゲス(おそらく友人の名前だろう)からもらったグレープフ

ルーツを人目もはばからずに食べているうち、彼の黒い肌に似合いの黄色いタンクトップを眺めているうちに、

少し雨で湿った靴裏に泥がつくような学校の庭を歩いているうちに、グランドで野球だかラクビーだかを見てい

るうちに、ごくごく当たり前にわかってしまった。空を仰ぐと、真っ青の大空である。車の中で見た、赤系の青で

はなく、青系、むしろ緑系の青。愛すべき、青。そんな青でもない、まっさらの、まっさおの、青空です。
 
 ああ、僕は今日も正常だ。
 
 
 
 
 
20081011
20090104改稿

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01/04

Sun

2009




「おもいひと」



 
 
背はぬくりとしている。
 
腹はひどく冷えたままなのに、
 
背はぬくりとしている。
 


 
背が重い。
 
ずっくりとした、厚みと思いに、
 
背が重い。
 


 
背に愛着がわいてくる。
 
どうしようもない、痛みとぬくもりとに交錯されるだろうに、
 
背に愛着がわいてくる。
 
首筋を風が触れた。
 
刹那、閃光が背筋に走る。
 
首筋をなぞる指先は、
 
同時に心の臓までをもまさぐっている。
 
痛みにあえぐ。
 
ぬくもりに笑む。
 
風はするりと離れていき、
 
また、
 
背はぬくもりを甘受する。
 
風が、笑った。
 
 
20090103

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