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07/16

Wed

2008

これでもジョミブルネタ1

 

 
 だから、僕はいつだって言ってるじゃないか!!
 
 
 

 
 
 
 
『老人のささやかな主張を聞け、若人よ(仮題)』
~テラへゆきたいッッッ☆!!!~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 昔、君にそれはそれはよく似た少年と出会ったんだ。いいや、違うな。君がその少年そのものなんだ。君と同じ金色の髪にね、緑の瞳にね。とっても生意気そうで、はしこそうな顔をしていてね。唯一違うのは、彼は君と違って僕よりも背が低かった。
「何です、それ。新手の嫌がらせですか。」
 その子はね、とっても良い子で、僕は大層、彼を可愛がった物だ。でも、でもね。
 気がついたら、いなくなっていたんだ。(つまり、大きくなってしまっていたと。そうおっしゃるんですね、ソルジャー・ブルー。そうしてつまりは、貴方は大きくなってしまった僕が気に入らないと、そうともおっしゃるんですね。)
「それはそれは、酷く、落ち込まれた事でしょう。」
 
 林檎、お食べになります?いただくよ。
 
 
 かしり。
 
 
 林檎を食む口元は、どこか弱弱しく、僕はそれがどうにも癇に障って仕方が無い。
 
 
 意外に貴方、歯ごたえのある食べ物、お好きですよね。やわい物しか受け付けなさそうなのに。それは僕が脆弱であると?ええ、ひ弱ですよね、俺と比べたら。何より、貴方、お年を召しすぎてます。ああ、それは違う事の無い事実だ。そうでなくとも君に勝てるミュウなんて、いやしない。おや、ミュウだけですか。ジョミー、自信をもつのはとても良い事だ。しかし、自惚れてはいけない。それはいずれ身を滅ぼす。貴方のように?こうは、なりたくないだろう?そうでもありません。物好きだな。
「だって貴方、死に掛けで年寄りの癖に、きっとこの世の何よりも、貴く美しい生き物ですよ。」
本当に、君は物好きだよ。変わってる。
「ええ、変わりました。」
適応能力が特化している事は、生物として、強い証拠だ。ふふ、逞しい限りだ、ジョミー。
「壊れかけてるものに比べたら、つまらない。俺は貴方が羨ましいですよ、ソルジャー・ブルー。」
 なぜなら貴方はこれ以上、気高く綺麗にはなっても、醜くなる事はない。
「俺、自分に対して厳しいんです。特に美意識に関してはそれこそ異常な程に。」
 美しくありたいと願うのは、何も君だけではないさ。
「と、おっしゃる貴方は意地が悪い。」
 僕とて、いついかなる時でも、美しく貴くありたい。
「っは、笑止。だから嫌なんですよ、貴方。自意識過剰なのはどなたですかね。」
 それこそ、笑止千万。君が僕に勝るとでも?まだまだ、先の話さ。君はさっき、自分の事を異常と言ったが君が異常ならば、しいて言うなら僕は気違いだ。
「へえ、貴方も貴石には目がないと?」
 世辞を言うならば君のような原石は特にね。・・・・美しいものはそれだけで信仰の対象となる。道具として強烈で優秀だ。むしろ強迫的ですらある。
「美しくあれと願う君たち。
僕は君たちの願いを叶えよう。
いつ、いかなる時でさえも、僕は強く美しくあろうではないか。
美しく、美しく。そうして散っていこう。そう、潔く、気高く、美しく。花よりも花の如く。」
 朗々と詠う君も悪くは無いが、人の深層心理を勝手に読み取るソルジャー見習いはけしからんな。
「気恥ずかしいだろうと思って、代弁してさしあげただけですよ、ソルジャー。」
 本当に、こまっしゃくれたガキだな、君は。
「古狸からお褒めのお言葉を頂戴するとは、恐悦至極。そのお言葉とお美しいご尊顔、一生涯の宝といたす所存であります」
 しかも、口の減らない子ときたもんだ。
「300年には及びません。が、直に追いついて、追い越していきますけどね。いつまでも貴方の影を踏むのは我慢なりませんから。馬鹿馬鹿しい。」
 なら、僕は君の背に負ぶさろうかな。楽そうだ。
「最後まで、きっちり働いてくださいよ。潔く。」
 
 
 それは、無理難題をふっかける。
 
 
 かしり。
 
 
 林檎を食む口元が、どうにも気に入らなくて、俺はその唇から、林檎をかっさらう。そうして、
 
 
 かしり。
 
 
 自らの歯で、一口食まれた果肉へと、食いついた。
 
 
「美味だろう。」
「ハウスものにしては、なかなか。」
「ハウスもの?」
「人工的、」
「ああ、なるほど。」
「大昔の、食物栽培について教わったんです。人は、天然物と人工物の格差を随分と、楽しんでいたようですよ。」
「へえ、そりゃ酔狂だ。」
「でしょう。本物と偽物なんて、どちらも味は」
 
 
 食べたら、同じなのに。
 いいや、きっと、その差すら分からない。
 
 
「否、」
「なぜ?」
「それは否、と思う心こそ、人は拘っていたのさ。」
「そうですか。」
「多分。」
 
 
 
 馬鹿ばかしい。
 
 
 
「愛すべき、馬鹿ですね」
「それは君の事だろう、ジョミー。」
「いやいや、貴方にはおよびません」
「ははは、遠慮するな、若人よ。」
「何をおっしゃいますか、ご老体。」
「そうさ、爺さ。だからもう、そっとしといてくれないか、ジョミー。僕はもう疲れたんだ」
「おやおや、これは気が回りませんで。申し訳ありません。」
 
 
 
 安心して、お休み下さい。
 後は僕ら、若者がやっておきますので。
 
 
 
 
「そうしてくれたまえ。」
「ああ、言い忘れてました、ブルー。」
 
 
 
 
 僕、ナスカに地上を求めました。
 降りました。
 太陽が、二つありました。
 まさしくそれは、ナスカという星の景色でした。
 
 
 
 
 
「これって、ミュウにとっては、マガイモノなんでしょうか。おやすみなさい。」
 ああ、さっきの林檎。ナスカで取れたんです。ハウスものですけどね。
 
 
 
 
 
 では、良い、夢を。ソルジャー・ブルー。
 
 
 
 
 
「・・・見れるわけないだろう、そんな事言い残されて。馬鹿か君は。」
 馬鹿なのか、ジョミー。いや、馬鹿なんだろう。馬鹿でアホなソルジャーになるんだろう、君は。
「僕も大概、馬鹿をしてきたと思うけれども、それとはまた違った馬鹿なんだろうな、彼は。」
 ああ、まったく。これだから嫌なんだ。彼がいなくてもいても、結局は彼について延々と考えねばならないこの現状!!
 これが嫌で、こちとら目を瞑る、という手段に出たというのに。せっかく引きこもりになったって、馬鹿が相手じゃ意味がない。
「何せ彼は、僕にとっての最後の護りである眠りの中にまで、やってくる。」
 下手に力のあるガキに、その力をコントロールする技術を覚えさすものじゃあないな。
「僕のささやかなで平和な夢の国を、返せ。」
 腹いせに通行料をふんだくろうにも、生憎、彼から奪える物はもう、その若さ溢れる生気くらいだ。彼の未来はとうの昔に、彼を見た瞬間から僕がとってしまったから。
「・・・・案外、いいかもしれない。」
 ジョミーからエネルギーをちょっと頂いて。うん、頑張ったらテラ、本当に見れるかも、僕。
「頑張っちゃおかな。」
 老体には多少、きついものがあるけれど。
「僕は、『テラ』にこそ。」
 白か黒かなんて、どうだっていいんだ。
 どうだって、良いんだよ。ジョミー。
 僕はいつだって。
 
 
 
 
 だから、僕のささやかな主張を聞けというんだ、小童共め!!!!
 
 
 


 

20080716
 
 

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